「どうしたの?」
驚いて聞く私に
「あれ?秋仁から何も聞いてない?」
不思議そうに言葉を返す。
「え?・・うん」
「明日、紗江を空港まで見送りに行くんだよ。だから今日はここで泊まらせてもらうの」
ビールを片手に教えてくれたライ君。
はい?
紗江さんの見送り?
「矢崎さん・・・仕事は?」
「ん?・・・休み」
そんなこと一言も聞いてない。
「何か飲む?」
優しく矢崎さんは冷蔵庫を開けながら聞いてくれるけど・・・モヤモヤする。
「うん」
「紅茶でいいか?」
「・・・うん」
冷蔵庫から紅茶を出して、持ってきてくれた。
ソファーに座ると、紅茶を一口飲む。
「明日・・・何時に行くの?」
「ん〜・・・1時間はかかるからなぁ。8時には出るかな」
一言、言ってほしかったな。
ライ君からじゃなくて、矢崎さんから聞きたかった。
「そっか・・・じゃ、私もその頃出るね」
「ん?何か用事あるのか?」
「え?ううん、ないけど・・・」
矢崎さん出かけるのに、私がいても仕方ないんじゃ・・・?
「じゃ、待ってろよ。見送ったらすぐ帰ってくるし・・・それとも1人で留守番やだ?」
「え・・・ううん、大丈夫・・・夏休みの課題が出てるからやっておく」
「わかった・・・雷太は午後から仕事だもんな?」
「え!?・・・ああ、そうだったかな」
返事が曖昧。
なんだか矢崎さんが目で合図をしているような気がしてならない・・・。
なんだろう・・・モヤモヤが積もっていく・・・。



