矢崎さんのアパートに着くと、鞄を持ってくれて。

「お、おじゃまします・・」

初めて来たわけじゃないのに、みょ〜に緊張する。

遊びに来るのと、泊まるのじゃ・・・やっぱ、違うよね・・・。


矢崎さんはスタスタと入っていって、

「お風呂準備するから座ってて」

お風呂場に行ってしまった。


ドキドキしすぎてる私はあまり頭が働かなくて、ソファーに座って考える。

・・・お風呂?

・・・お、お風呂〜??

あ、私、下着が適当かも・・。

はいてる下着をちょっと覗いてみた。

・・・やっぱり。

持ってきた下着も、上下は揃ってるものの・・・可愛い系だ。


なんてこと!

こんな大切な日に!

いや、まてよ。

いかにも!って下着を着けたとしよう。

それを矢崎さんに見られたときに・・・・

『やる気満々?』

なんて思われたら・・・絶対嫌だぁ。


・・・って。見られる前提で話し進めてない?

なんか、そうなることを望んでるみたいじゃん。

・・・私ってスケベだったのか?

こんな風に思うのって・・・普通?

ちょっと、誰か教えてよ・・・・あ、遥に聞いてみる?



・・・ううん。それはダメだ。

またからかわれるし、変な知恵をつけられそうで、怖いし。

あ、そうだ。

お姉ちゃんにメールして・・・って、ダメだ。

お姉ちゃんが熱を出してるからこんなことになってるのに・・・。


えーん。

どうしたらいいの?

「はい、どうぞ」

コトン。とテーブルに置かれた紅茶。

「あ、ありがと」

矢崎さん、戻ってきたんだ。

気がつかなかった。