「ったく、あいつはいくつになっても騒がしいな」

冷蔵庫からビールを取り出すライ君。

「ま、小春ちゃんはあんなもんだろ?」

矢崎さんは笑いながら、コップをもちテーブルにおいて冷蔵庫からウーロン茶を出した。

「柊子、座って。お茶でいい?」

矢崎さんが声を掛けてくれて

「あ、うん」

ソファーに座った。

「少ししたら送って行くから」

「あ、でも・・・私がいたらお酒飲めないんじゃ・・・」

「いいんだよ。雷太に付き合ってるとこっちがつぶれるから。ハンデがないとな」

「ライ君お酒強いの?」

「ああ。ザルだ。こいつは」

「ザル?」

「聞いたこと無い?瓶(カメ)とか樽は酒が溜まるからまだ終わりがあるけど、ザルは流れてたまらないだろ?底なしって言うことを「ザル」って言うんだよ」

「え・・・そんなに飲むの?」

「・・・・まぁ。でも酒なら1~2升が限度だぜ?」

「1升か2升?」

幅が広いね・・・・。

「ムリ。お前に付き合ってると明日仕事にならねーから」


2人の話を聞いていると、学生時代もこんな感じで話をしてたのかなって、なんとなく感じることが出来て、ちょっと嬉しかった。

「しかし・・・なんでよりによって、秋仁なのかね?」

壁にもたれたままライ君は、私に目を向ける。

「他にいい男いるだろうに。ま、確かに外見は悪くないけど・・・なんでまた・・・」

「え・・・なんでって言われても・・・」

困って矢崎さんを見ると目があって。

首をかしげて笑ってる。

やだ~。

カッコいい~。

「・・・柊子がほれてるのは、丸わかりだな」

私を見ていたライ君が呆れたように言った。