「いつも、いつだって会いたいのは私ばっかりで・・・」
「柊子ちゃん」
「一緒にいたいって思うのも、ドキドキするのも・・・」
「それは・・・」
「私ばっかり・・・私ばっかりが矢崎さんを好きなの!・・・もう・・やだよ・・」
視界がぼやけて矢崎さんが見えなくて。
「送ってくれなくていい!」
プレゼント・・・選ぶの楽しかったの。
矢崎さんの笑顔が見たくて、持って来たの。
でも、笑顔も言葉も何も無かった。
女の人を部屋に上げて・・・私は彼女じゃないの?
どうしてこんなに矢崎さんと距離があるんだろう。
頑張ってるのに・・・全然縮まらない。
涙はどんどん溢れてきて止まらなくて。
惨めな自分。
「帰るから、離して!」
思いっきり手を振り払おうとしたとき
「柊子!」
え・・・・・。
あれ?
名前を呼ばれて・・・・・抱きしめられた。
「俺の話も聞けよ・・・」
ため息交じりの矢崎さんの声。
「・・・話?」
なんの?
部屋にいた人が本命・・・・とか?
嫌だ。
聞きたくない。
聞きたくない。
「いや・・・聞きたくない」
もしかして別れるとか?
私じゃなくて、あの人が本命だから?
「・・・別れるなんてヤだよ」
「・・・だから」
「ごめんなさい。我侭言わないから。ヤだよ・・・嫌いにならない・・・で・・・」
好きなんだもん。
別れるなんて嫌だよ。
「柊子・・・」
そっと体が離れたと思ったら、矢崎さんの手が私の顎に触れて・・・・。