秋仁さんは、ベッドに上がり胡坐を掻いた。
私も同じように正座をして向かい合わせに座った。
そしてゆっくりと秋仁さんが話し始めた。
「俺さ、高校に入ったばかりの頃に付き合った彼女がいて」
秋仁さんの過去?
「・・・うん」
「出会いは逆ナンだったんだけど、その彼女は22歳のOLさんで。高校生の俺から見たら大人の女の人だった」
そうなんだ。
初めて聞く話。
「俺はそんな大人の彼女にはまるのに、時間は掛からなかった。車でいろんな所に連れて行ってくれて、服や靴なんか買ってもらって、おいしいもの食べて。・・何も知らない俺は本当に彼女が好きだった。このままずっと一緒にいられるって信じて疑わなかった」
「・・・うん」
「だけどある日、彼女と友達が話をしているのを聞いて「あ~、秋仁?あんなの顔と体だけよ」って、笑いながら話をしてた。俺は耳を疑った。何かの間違いだって。・・・だけどそれから1ヶ月も経たないうちに彼女は会社の上司と婚約、結婚。・・・俺はただの遊びだったってわけだ」
秋仁さん。
「それがあってから、女を冷静に判断するようになって。・・・近づいてくる女は俺の外見ばっかり好きになる。そのうち「秋仁ってカッコいいけど、面白くない」って振られんだ。それで付き合うのも面倒くさくなって、適当に遊ぶようになって」
「・・・うん」
「2年の半ばに雷太に彼女が出来た。それが夏穂だった。・・・雷太が羨ましかったよ。夏穂は雷太の外見じゃなくて中身をみてたから。それに比べていつまでたっても俺の周りには外見ばっかり見る女しかいなくて・・・女運がねーのかなって、真剣に悩んだ時期とかあってさ」



