「雷太」
「久しぶりだな。夏穂」
昔と変わらない笑顔と、ちょっと大人っぽくなった雷太に懐かしさがこみ上げる。
でも
「試すって・・・どういうことだ!?」
雷太が言った事を把握できない秋仁は、雷太に詰め寄った。
「そのまんまの意味だよ。・・・昔の女・・・瑠璃さんだっけ?に振られてから女なんて信じなくなったお前が、柊子の事はどうなのか試したんだよ・・・まさかここまでこじれてるとは思わなかったけどな・・・」
悪びれることも無く淡々と話す雷太。
「大人だったよ柊子は・・・絶対に口を割ろうとしなかった。どんなに話を聞いてもだ。最後には私がお姉ちゃんに話をするから、ちゃんと会えって背中まで押されたよ」
「・・・なんだよ、それ・・・」
「でも、お前は違ったな秋仁。柊子を信じきれなかった。・・・そうなるとは思ってたけど」
「なに?」
「お前は、ギリギリのところで女を信じない。必ず友達が優先だ。脆いもんだよな気持ちなんて・・・・柊子にもいい薬になったろ。結局お前なんかと付き合っても最後は泣かされんだ・・・ま、俺に夏穂の事を黙ってた償いだと・・・」
パシンっ!
雷太の心無い言葉に、思わず手が出てた。
「夏穂?」
2人とも驚いて私を見た。
「何自分勝手なことばっかり言ってんの?」
「夏穂・・・」
「柊子にもいい薬になった?・・ふざけないで!」
私があまりにも真剣に怒っているからか2人とも言葉が出てこない。
「秋仁、柊子は秋仁を裏切らないわ。どんなことがあっても」
「なんでそんな事・・・」
「言えるかって?・・柊子は一番大切な人に裏切られてるから」
「一番大切な人?」
「・・・家が離婚してるのは知ってるわよね?」
「ああ」
「柊子が6歳になったばかりの頃だったわ」



