お姉ちゃんに本当のこと言えなかったな・・・。
私は勉強机の椅子に座り、引き出しの中に入っている封筒を取り出す。
中に入っているのは、小さい頃に父親にもらった使用済みの遊園地のチケット。
これを私に持たせたまま、父親は私の前から姿を消した。
男の人なんて自分勝手。
ずっとそう思ってきた自分がいて。
だけど、秋仁さんを好きになって、付き合うようになって、いろいろなことが分かって。
今までは、お父さんが私達を嫌いになって捨てたんだと思ってた。
だけど、夫婦の仲は夫婦にしか分からない何かがあったってこと。
ようやく分かり始めてきて。
「なんだかなぁ・・・」
チケットを眺めながら呟いた。
それと同時にまた涙が溢れる。
チケットを袋に戻し、机の引き出しに仕舞うと、私はベッドに横になり少しだけ眠った。
「・・・ん?」
起こされたのは携帯の着信音。
誰?
開くとお姉ちゃんからだった。
「もしもし?」
『あ、柊子?寝てた?』
「あ、うん。ちょっとだけ」
『今から出て来られない?』
「え?・・・・どこに?」
『秋仁のアパートなんだけど・・・実は雷太もくるの』
「ライ君!?・・・ああ、話するの?」
私は思わず起き上がった。
『そう、だから柊子も来ない?』
お姉ちゃんの言葉に心が揺れる。
行けば秋仁さんにもう一度会える。
自分から別れておいて・・・なんて往生際の悪い女。
「・・・・行けない」
そんな事できない。
『なんで?課題終わってないの?』
「・・・秋仁さんとは、別れたから」
『は!?』
「この前手紙渡して終わりにしたの・・・返事もないし」
『・・・どういうこと?』
「もう、終わったことだから・・・行けなくてごめん」
『ちょ・・・』
お姉ちゃんが何かを言いかけたけど、辛くて電話を切ってしまった。



