「あいつが一番大切に思ってるんですよ」

「俺もそれには納得いきません」

「お前ら…また梓にあんな思いをしろと言うのか?」

「それはっ…」

「この事を梓が知ったら必ずいく…また1年前のようになったら梓はたえきれるのか?」

「…」

「犬茅が鷲牙の奴等に捕まり纏硫寺らが助けに行ったなどということが知れ…」

…――

そこで会話は途切れた

この時私は心の底からさっきの話が嘘であって欲しいと思っていた


ダンッ…


『龍翡!』

寮に着いた私はみんなを探した

『大輔…靖抖、翔、惺…貊渡、大和っ…』


探しても人1人居なかった
その中あるものが目に入った


『置き手紙…』


リビングのテーブルの上に一枚の紙が置かれていた

[ 葵へ
俺達は今から野暮用で出掛けてくる。
遅くなっても来るなよ! 怪我が直ってねぇんだからな!!!
龍翡]


『バカだろっ…野暮用ってバレバレなんだよっ!!』
 紙をおもいっきり握りしめた

「梓?」


『泰稀…頼みがある』

「…」

『鳳凰の総長…1日だけでいいんだ…1日だけ…「何言ってんだよ…鳳凰の総長は…」


泰稀そう言って私の前まできてあるものをわたした
朱雀がトップのネックレス…鳳凰の総長の証…

「もとからお前だろ?紅い朱雀」


『泰稀…ありがとな!!!』

泰稀の優しさが身にしみた

もう迷わない…自分の思うように進んでやる…

鳳凰の総長…紅い朱雀として…―