「先生!頭が痛いので早退します!」

SHRの時間、とっさに出た言葉がそれだった。

「えっと…まだ始まったばかりなんだけど。」

「超絶痛いんです!病院行かなきゃ死にそうです!」

これでもかとカノは訴える。

「…わかった。行ってこい。」

「ありがとうございます!」

カノは教室を飛び出した。

まさか仮病を使う日が来るとは思わなかった。

「カノ君!」

「あれ…ユラ君?」

廊下で出会ったのはユラ君。

「ナイン君家行くんでしょう?みんな門のところで待ってます。行きましょう。」

みんなも同じ考えだったらしい。