「よし、じゃあちょっと出場手続きしてくる。」 「おう。」 ナイン君は受付へ向かった。 「この大会はな、審査員の投票で決まるんだ。だから声の大きさだけでなく、叫ぶ内容も重要ってわけだ。」 なるほど。『ナイン死ねばいいのに』って叫ぶつもりだったけど駄目だな。 「チヨ君はなんて叫ぶの?」 「俺は天城越えを歌う。」 「は!?のど自慢じゃないんだよ!?」 「いいんだよ。声がでかけりゃ。つーか審査員は年寄りばっかだからそういうのに通じるような方がいい。」 でも歌は…。