腹から叫べ!


「夫に内緒で出てきてるから小さい声で話してください。」

「あ、すみません。」

2人は人目につかないようにしゃがんだ。

「ごめんなさいね、あの人頑固で…。」

「ええ、もう本当に。」

「え、」

「あ、いや!そういうわけじゃないんですけど!」

「はは。いいんですよ。」

笑ったときの顔がナイン君そっくりだ。

「あのね、もうナインのことはほっといてあげてくれないかしら…」

「は。」

「これはあなたたちのために言ってるの。」

「…何がですか。何が俺たちのためなんですか。」