着いたのは2年1組。
「ナイン君、俺、会長苦手なんだけど。」
生徒会長の名前は柳田陽一。
彼はかなりの俺様で横暴だという噂を聞く。さらに金持ちで気にくわないやつはどんな力を使っても消すという。
「大丈夫だって。ほら、普通に友達と話してるし。」
教室を覗いて見ると、確かに誰かと話していた。
机に足を乗っけて。
「いやいやいや。いくらこんなに不良ぶってるガク君でさえ机に足乗せないよ!?」
「カノ、お前今軽く俺を馬鹿にしただろ。」
「大丈夫大丈夫。ヨウちゃーん!」
げ。ナイン君の野郎何馴れ馴れしく会長に話しかけてんだ!
今までみんなが会長のことを『会長様』とか『柳田様』とか『陽一様』とか呼んでるのしか聞いたことがない。
ほら、教室が冷えきっているじゃないか。


