「あちー。」

まだまだ残暑が厳しい9月半ば。

「カノー。アイス買ってきてー。」

母さんが俺を呼ぶ。

「俺え!?」

「そうよ。今何時だと思ってんの。」

「何時って…午後8時。」

「そうでしょー。こんな夜遅くに乙女に外を出歩かせるのー?」

「乙女って…おばさんじゃん。」

「黙らっしゃい。」

「つーかお父さんに行かせばいいじゃん。」

「カノー。お父さんは仕事で疲れてるんだぞー。いたわれー。」

お父さんは普通にサラリーマンをしている。