籠の鳥

それがどうしても個人的に許せなくて俺は声をかけた。

「待ってくれ。借りなら俺にもある。飯でも一緒にどうだ?」

「おっ!それはいい…「ただし!その子を離してからだ」」

そう言うとやつはは顔を近付けたまま横目で女を見た。

なかなか放そうとしないやつはに近付いて女を放させる。

女から優しく手を放すと走って店の奥にいた祖父らしき人に抱きついた。
「一応(意味不明な)女たちはいるからさ」

そう耳打ちするとやつはは怪しい笑みを浮かべた。

どうやら話に乗ったようだ。

勿論、気を引かせるために持ち掛けた話である。

上機嫌でついてくるやつはを見て、俺は心の中で安心した。


こいつ、あまり独断で行動させたらいけないな。

極度の暴欲持ちだと見える。

帰ってマオに相談するしかないな。


帰り道で握り飯やら何やら、できるだけ多く買った。