籠の鳥

やつはは「は?」と言ってこっちを向いた。

「百足だよ。俺もさっきこの村に入る時に遭ったんだ。仲間がいたらしいが…そうか、あんたが退治してたんだな。おかげで助かった。あんなのが2体もいたら大変だったからな」

「つまりあんたも妖怪退治したわけ?」

「ああ」

すると突然周りが1歩、身を引いた。

やつはに捕まっていた女も抵抗する。

「あんたも何か後払いを望んできたわけ?」

「私をっ、私では何もお礼にはなりませんからっ!どうか許して下さい!!」

「煩いよ、あとでじっくり相手してやるから黙ってな」

やつはは女の口を無理矢理抑えて振り向いた。

俺は首を振る。

「いや?仲間が腹を空かせていてな。飯を探していたら悲鳴を聞きつけただけだ」

「そうかパシリか」

イラッとしながら「そう」と頷いた。

やつはは安心して言う。

「なら山分けしなくていいよな。これは僕が美味しく頂くから」

そう言って女の首筋をペロッと舐めた。

女はビクッと震える。