籠の鳥

「‥はい、大丈夫です」

戸惑いながらもまだらは笑顔で答えた。



俺も笑顔を見せてまだらを引き寄せた。

「‥よかった。まだらを守れたのならそれでいい…」

まだらを大切に抱き締める。

息がおさまらないままの俺を心配して、まだらも俺の背中に手を置いた。

「ざっくん、早く村に入ろう。この百足、仲間がいたようじゃないか、まだここら辺にさ迷っているかもしれない。さっちゃんを休ませる為にもさ」

マオの腕の中でぐったりしているさやを顔を歪めながら見つめた。

心配の意も入っていて、きっと頼りなさそうに見えていただろう。

マオは笑って言った。

「情けない顔をするんじゃないの。まーくん、ざくやを支えてあげなさい?虎猫は剣を」

フウは返事をして俺が持っていた鞘をとり、剣を納めた。



まだらは俺を立たせて、きっと自分より倍ある体重を支えながら共に歩いた。

「悪い…まだら」

「いいんですよっ。僕、これくらいしかっ、できませんから」

俺の顔を見上げて笑った。