籠の鳥

俺は安心したのか、脚から力が抜けてしまい尻餅をついた。

気がつけば息が上がっている。

重い剣を音を立てて地面に倒した。



マオがこちらに向かって歩いてきたとき、百足を下ろして出てきたのはフウだった。



片手で軽々とあの大きな百足を持っていたように見えた。

「ざくやっ!」

振り返るとまだらがフードがとれたまま走ってきていた。

俺の前に膝をついて顔を覗いてくる。

「大丈夫ですか??どこか怪我とか痛いとことかは?」

「ああ、…大丈夫だよ‥っ」

俺の疲労度を見てまだらは俺の隣においてある剣を見つめた。

「………ざくや、ざくやにはその剣、合わないんじゃないですか?明らかにざくやが剣に振り回されてますよ」

まだらにそう反対されたが、俺は剣を引きつけて掴んだ。

「いや、これでいいんだ。俺はそれがいい。…それより、まだらも無事か?‥怪我は?歌は聞こえないか?」