籠の鳥

狼に戻り、方向転換する百足の脚にかじりついた。



硬いらしく、百足は暴れないが、さやはそれをそのまま引き抜いた。

流石に痛かったらしい百足は脚と俺達を見て戻ってくる。

「うへー…不味い‥」

「当たり前だろ、腹下すぞ」

そう言ってさやに飛び乗った。

その反動でさやも走り出す。

百足をおびき寄せるように目立ちながら走った。


お陰でどうやらまだらから気を逸らせたようだ。
「脚を抜いたな!!元々3本脚が足りないのに!!」

「怒るとこそこかよ!!?」

俺のツッコミを聞いていたのはさやぐらいで、俺を乗せたままさやは勢いよく向かってくる百足の脚の軌道を読んで方向を変えた。



外した百足は更に気を悪くしたらしく、何度も前方の脚を俺達に向けた。

しかしさやもそれを上手くかわす。