籠の鳥

「ここならマオがいる。あいつは昔っから妖怪狩りは凄腕で、1人でこの家を守ってるんだ。まだら1人増えても何も問題ない。…いや、2人だな」

そう言って僕より遥か遠くを弱々しい笑顔で振り返った。

「さや、そこにいるんだろ?」

「!」

ざくやがそう呼び掛けると、のそのそとさやが出てきた。

「さや…」

「お前もだ、さや。まだらと一緒に残れ」

「「!?」」

僕とさやは同時にざくやを見た。

ざくやはさやだけ見ている。

「バレていないとでも思ったか?さや。お前、もう長くはないのだろ?」

「……何故それを?」

「分かるよ‥お前とは、俺が一番長くいるんだから」

さやはそれを聞いて俯いた。

僕も強く目を瞑る。

ざくやは話し続けた。

「長くないお前でも、マオの力にはなれるだろ?」

「…やだ………」

するとさやは言葉を漏らした。

目を開けるとさやは人間に化けていた。