籠の鳥

………☆………

フウが急ピッチで用意してくれた部屋で、僕達3人は眠っていたが、ふと目が覚めると隣にざくやの姿がなかった。

横にいる狼のさやを起こさないように僕は部屋を出る。



屋根上への出入り口を見つけ、立てかけてあった梯子を登った。



やはりそこにはざくやがいた。

物音に気付いて振り返る。

「おう、まだら、眠れないのか?」

「それはこっちの台詞ですよ。ざくやこそどうしたんですか?」

「ああ……少しばかり昼寝をし過ぎたなと思ってな」

その答えに僕は笑った。
ざくやの隣に座ると、夜風が気持ちよく当たる。



しばらく無言の空間が広がった。



互いに何を考えているか分からなかったが、ざくやがそのことについて話し出した。

「明日にはもう、ここを発つからな」