籠の鳥

僕は話している内容が理解できなかった。

マオは大きな機械に繋がっている輪をさやの手首につける。

「さや、どこか具合が悪いんですか?」

僕はさやを横向にさせるマヤに訊いた。

「さっちゃんはね、爆弾持ちなのさ」

そう答えてさやの頬を触る。



さやの頬に筋が走った。

「あらら、前より酷いね。もう現役は厳しいよ?」

「いい。ざくやには言うな」

「だけどさぁ、さっちゃん…」

呆れたようにマオは機械をいじくり始めた。

僕はマオの隣に歩み寄る。

「何なんですか?爆弾って」

「さっちゃんはもう寿命がないのさ。さっちゃんの器も悲鳴を上げている。この頬に出た残留思念の跡が何よりの証拠。一応命の変わりになる妖力は入れておくよ」

さやにそう言って機械から離れた。



さやの頬の跡が消えていく。

「さ、まーくんにも話してあげな。さっちゃん」

そう言われてしばらくさやは何も話さなかったが、やっと口を開いた。