籠の鳥

「…さや、助けなくてよかったんですか?」

「助けてたら家が直る間、お前が今のさやになってたぞ」

「……………(汗)」

僕は心の中でさやにお礼を言った。

「さ、屋根の修理でもするか。まだらはどうする?」

ざくやは散らかった部屋の奥から用具を取り出してきた。

それを見て僕も答える。

「僕、マオが暮らしやすいようにここら辺を少しでもきれいにしようかな?1つの部屋に閉じこもるのも身体に悪いですよ」

「元々あいつ、ひきこもりだけどね?いいんじゃね?そうしてやんな。終わったら途中でもマオ達のとこに行きな。ここはこれでも安全じゃねぇんだ」

「分かりました。ざくやも気をつけて」

ざくやは短い返事をして家を出て行った。



僕はそれを見届けると足元にあるものを拾い始める。



しばらくするとざくやが屋根を叩く音が聞こえた。