籠の鳥

「…ざく、やっ…ッ」

僕は苦しくて我慢出来ず手を伸ばした。

ざくやも僕の手を握る。

そのままざくやの手に掴まった。

ざくやも僕を抱き起こした。

「はぁっ、はぁ…ッ」

「相当やられてるねぇ」

「マオ!!」

ざくやに寄りかかってぐったりする僕を笑った。

それをざくやは怒る。



「冗談だよ」と笑いながら、マオは僕に顔を近付けた。

「これでオジサンは、まーくんが何者であるかが分かった」

「本当か!?」

ざくやの問いに頷いた。

僕も目を少し開ける。



自慢気にマオは僕達の前に立っていた。

「妖怪の血って、黒いんだよ?まーくん」

僕はマオを見上げた。

マオもニヤッと笑う。

「何で黒いんだろうね?」

マオの笑みにざくやは何かを悟った。



咄嗟に自分の腕の中で苦しんでいる僕を見る。

奥歯をギリッと鳴らして僕の腕を掴んだ。