籠の鳥

「まーた家の修理頼める?」

「まだらの話じゃねぇのかよっ!」

ざくやは拍子抜けしながらツッこんだ。

「自分で修理くらいできねぇの?自分の家だろ」

「ほらほら、オジサン引きこもりだから。あんたらいつも泊めてるでしょ?あなた方の帰る場所よ」

「はいはい、後でやりますよ」

ざくやはそっぽを向いて仕方なく了承した。



そして僕は書き終わる。

マオは僕の方に身体を向けた。

「書けました」

「はい、お疲れさん」

マオは僕から紙を受け取って読んだ。

マオも眉をしかめる。

「意味なんてないんじゃないの?何よこれ?」

「僕は産まれてこのかた、そんな妖怪の事情なんて関わりもしませんでした。急に言われても分かりません」

紙をごちゃごちゃな机の上に置いてマオは訊いてきた。

「いつから?」

「両親が死んだ数日後からです。両親の死は詳しく分かりません」

「両親の死に謎の歌ねぇ…よう分からんな。それじゃ得意分野といきましょうか!」

そう言ってマオは立ち上がり、僕のコートを外した。



近くにそれを掛けるマオに僕は焦る。

「まっ、待って下さいよっ!何するんですか!?」

「大丈夫、まーくん!オジサンは怖くない♪」

「十分怖いよ、マオ」