籠の鳥

白い清潔感のあるベットに座らされて、僕は辺りを見回した。



ドア付近の椅子にざくやは座る。



僕の行動にマオは笑いながら言った。

「意外かい?ここはオジサンの避難場所だからね。他の所は汚過ぎて」

「自業自得だバカ」

だらっとした前髪をかきあげて眼鏡をかけ直した。

さっきまでとは別人になったマオ。

意外につり目でもあった。

「で?まーくんは妖怪の行動に心当たりはないんだね?」

呼び方が変わったことで僕は反応が後れたが、返答をした。

マオが僕と向かい合うように椅子に座りながら「ふぅむ」と唸る。

「なんだろね。他に何かある?」

「歌が、僕の中で繰り返し流れるんです」

「歌…」

「妖怪達はその歌の意味を知りたがって追いかけてくるみたいで」

マオは近くの引き出しから紙と書くものを出して僕に渡した。

「書いてみて、その歌を」

「はい」

僕が書いている間にマオはざくやに向き直った。

「ざっくん」

「あ?」