籠の鳥

できるだけ空に高い場所に、彼を眠らせたかった。



憎しみは、自分の身を滅ぼす―。



2度と起こしたくはない、悲劇の犠牲。

それを俺達は忘れちゃいけないんだ。



まだらの母さんの為にも、さやの為にも、俺は…。

誰も欠けてはいないのだから。



「もうっ!さや行くね!」

待ち疲れたさやが走り出した。

俺とまだらはさやを叱って追いかける。



この幸せを守る為に、俺は忘れない。