籠の鳥

「い…「「行ってきます!」」」

俺が言う前に2人が言って駆け出して行った。

「ちょ…っ!おい!」

「早くしないとざくやも置いてくよ!」

「置いてくよ!!」

振り返って言う2人に笑いながら俺も飛び出した。



じゃれ合いながら走る俺達を見て、マオはまた笑う。

「笑いが絶えなくなったね、虎」

「…」

「…虎だけだよ、笑えないの」

そうちゃかすと、フウは言った。

「あなたが2倍笑って下さい。あなたの中で笑ってます」

それを聞くと、マオは寂しそうに笑顔を伏せたあと、静かに言う。



「"また"笑えるよ」








まだらとさやを脇にいさせて、俺達は無言で手を合わせていた。



マオの家から少し離れた丘の上―。



俺はさやをまだらに預けて、真っ先にここに彼を埋葬した。