籠の鳥

人間の身体に妖怪の手ができたまだらは、化けることができないから隠すことができない。

右手と両足が妖怪化していた。

尻尾も耳も生えている。


だから妖怪には戻れるらしい。

元々は妖怪の血が流れているのだから。



「ごめん」

そっぽを向いて謝った。

マオは笑い、まだらに近寄った。

「フードも被らないと、危ないよ」

「あ、そっか」

耳を隠すようにフードを被らせた。



さやにバックをかけさせてドアを開ける。

流れ込んできた外の風を受けて、俺は微笑んで振り返った。

「行くぞ」

「はい」「うん!」

「あら、子供を2人も連れて。大変ね、お父さん」

「お父さんじゃねぇよ!!」

また振り返ってキレるざくやにマオは笑った。

それに赤くなっているまだらに言う。



「行ってらっしゃい」