籠の鳥

まだらを立ち上がらせて先を急いだ。


あまりちんたらしていると、また妖怪達が食いついてくるからな…。


フードを被ったまだらに異常はない。


どうやらまだ何にも気付かれていないようだ。


隣を歩くまだらは俺を見上げて訊いてきた。

「あとどれ位で着くんですか?」

「そうだな、一夜越して明日には歩いていればすぐに着く。俺は奴にすぐ妖怪を渡せるように1週間はかからないとこで妖怪狩りをしているからな」

「あまり遠くは行ったことがないな」と付け加える。

まだらは頷いて納得した。

俺は陽が堕ち始めていることに気付く。


そろそろ野宿の場所を見つけなくてはな。


歩きながら安全なところを探し、日が暮れ始めた頃には既に野宿場所を決めて寝床を作っていた。



夜だと人気もなくなるため、さやは妖怪の姿に戻り、枝や草を集めている。

「今夜は俺が見張りをするから、さやは休め」

草をくわえて帰ってきたさやに声をかけた。

さやは俺を見ながら草を寝床に放し、返答をする。

「いいよ、さやがやる。どうせ明日には思いっきり眠れるんだし」

「眠っている間に何かされたらどうするんだ?」

「やっぱざくやに任せた!!」

さやは即座に草を積み重ねて作った寝床へ飛び乗った。

俺はそれを見て笑う。