籠の鳥

冷めきったその言葉を聞いて、自分にブレーキをかけてやっと目を逸らした。

そんな俺を見て、女は不適に言う。



「可哀想にのう。私がお前に言ったことと違うことを言ってしまったばかりに」



「…それはどういうことだ?」

俺は再び視線を女に向けた。



女はさっきの声とは裏腹に悲しい表情をしていた。

「あのときは私も恨んでいたのだ……彼女に、ざくやだけ助ける方法を教えてやると呟いた」

「!」

同情の意を求めて言ってきたが、俺は我慢しきれなかった。



あの時のさやの顔を思い出すと、申し訳なく、悲しすぎる。


俺は気付いてあげられなかった…。


「……殺気か。やはり許してはくれぬようだな」

「貴様っ……初めっから謝る気なかっただろ?」

「貴様を許す気も、はなっからない。」

そして持っていた剣を、不意をつかれて叩き落とされ、そして奪われた。