籠の鳥

「すまないことをした」

素直に出たその言葉に俺は剣を握る力が弱くなる。

「お前たちの仲間を傷つけてしまった…許してくれ」

「いや…その………」

言葉に詰まった俺に、更に近付いた。

「さっきの女、妖怪は生きているぞ」

「本当か!?」

俺は今にも女に飛びつきそうだったが、こらえた。

女は頷く。

「だが、2度と解けぬ強力な呪いをかけてしまった……お前たちのことは何1つ覚えていない。姿形も変わってしまった」

「!……そんな…」

まだらも後ろで息を呑んでいた。

仕方ないとまだらは目を伏せる。


長年、さやと共に2人で旅をしてきた…。

その記憶もねぇってことかよ……!!


俺は目を伏せることができなかった。

嫌でも女を睨んでしまう。



女は寂しい顔をした。

「憎いか……?」