籠の鳥

「ああ。俺の知り合いに、妖怪を研究する奴がいるんだ。俺がたまぁに妖怪の死骸を持ってくんだが、最近持ってってないし…丁度いい奴見つかったし」

「僕研究材料ですか!?」

まだらは少し俺から離れた。

すると背中に何かにあたる。

振り返るといつの間にかまだらの後ろにさやがいた。

まだらの肩を抑えてにこっと笑う。

「別に大丈夫だからさぁ♪少し気持ち悪いオタクだけど、まだらだったら大丈夫だよ」

「僕だから何!?」

「まあまあ。実際お前は人間なんだから、妖怪の死骸達にやってきたあの数々をされたりしないさ」

「何やったんですか!?」

顔を真っ青にするまだら。


少し脅し過ぎたか…(笑)。


「でもほら、死ぬとこまでは行かないよな、ざくや」

「だな」

「その付近には行くってことですか、それ…」

更に真っ青になるまだらに「冗談だよ」と笑いながら言う。

「確かに死骸には荒々しいが、生存者には人一倍優しい。信頼も熱い奴だ、安心していい奴だぞ」

立ち上がってまだらの頭に手を置いた。

さやも何食わぬ顔でまだらに抱きつき、俺を見上げている。