籠の鳥

その力はまだらと女を中心として発せられていた。

はっきりとしない視界の中でまだらが苦しみに耐えている。


まだら…!!


「ざくや―――――ッ!!」


それから、目が開けられないほどに力が強まった。



女が微笑した。



それからは分からない。

再び目を開けた時には力は弱まり、なくなっていた。

ただ母が子を抱き締める画しか見えてこない。

「まだら…おかえり、まだら…」

抵抗もせず、身を委ねていた。



だがその冷たい時はまだらの発した言葉で動き出す。

「……人間の、臭い‥」

当たり前のように女は答えた。

「そうだ、私とまだらを引き離そうとしている憎い人間だ。私には力がなくてあのハエはどうにもならないのだ…」

「僕がやっつけてきてあげる………」

「そうか……まだらはなんてたくましい子なのだろうの」