籠の鳥

どうやら暗示をかけられているらしい…。



不気味な妖力がまだらに集まった。

「"自らの存在を認識したとき、汝の姿は形を変えらん"」

怯えきったまだらから目を離し、俺は自分の無力さに拳を握った。



だが、まだらはそんなことは思っていなかった。



「ざくやっ!!!」



ハッとして顔を上げると、まだらが泣きながら訴えた。

「僕は人間でいたい!ざくやとさやと、また旅がしたい!!」

「まだら………」


そうだった…


「さよならなんて言わないでよ!!!!!」


誰だよ…

まだらに諦めない心を教えたのは………!


「……まだ抵抗するか、この人間(ケモノ)は」

そう女が言ったと同時に、俺は地面から剥がれて何か圧力に吹き飛ばされた。

そのまま後ろの扉に叩きつけられる。

「うっっ…………」