「妖怪なのにそこまで心配するとはのぅ…感動だ」
その声の方へ顔を向けた。
「! まだら!!」
立ち上がり走り出したが、扉をくぐり抜けた途端、ガクッと足から力が抜けた。
その場に手をつく。
「そんなに焦るでない。すぐに話しをさせてやる。……覚醒した姿での」
その話が終わる前に俺の後ろの扉が閉まった。
「私は戦闘力を持たない。だから自分の夫は自分の手で殺した。唯一、昔から自分の領域を作るのが得意だったのだ。異質なものに魂を移すことも…―他人の心に"話しかけることも"」
そう言って眠るまだらを撫でた。
俺は立ち上がろうとするが、身体に力が入らず床に手がついたままになっていた。
「やっと手に入れた…愛しい我が息子……この長年の努力が報われたとでもいうかの。ずっと身を削ってまだらを呼べる場所を作ったのだ……」
そう言ってキッと俺を睨んだ。
「まだらは渡さぬ。汚れた血め……」
そしてまだらに呼び掛けた。
まだらはうっすらと目を開ける。
「"かごめかごめ"」
女が歌い出したと同時にまだらが苦しみ始めた。
「"かごのなかのとりは"」
その声の方へ顔を向けた。
「! まだら!!」
立ち上がり走り出したが、扉をくぐり抜けた途端、ガクッと足から力が抜けた。
その場に手をつく。
「そんなに焦るでない。すぐに話しをさせてやる。……覚醒した姿での」
その話が終わる前に俺の後ろの扉が閉まった。
「私は戦闘力を持たない。だから自分の夫は自分の手で殺した。唯一、昔から自分の領域を作るのが得意だったのだ。異質なものに魂を移すことも…―他人の心に"話しかけることも"」
そう言って眠るまだらを撫でた。
俺は立ち上がろうとするが、身体に力が入らず床に手がついたままになっていた。
「やっと手に入れた…愛しい我が息子……この長年の努力が報われたとでもいうかの。ずっと身を削ってまだらを呼べる場所を作ったのだ……」
そう言ってキッと俺を睨んだ。
「まだらは渡さぬ。汚れた血め……」
そしてまだらに呼び掛けた。
まだらはうっすらと目を開ける。
「"かごめかごめ"」
女が歌い出したと同時にまだらが苦しみ始めた。
「"かごのなかのとりは"」

