籠の鳥

「かーごめかーごめ、かーごのなーかのとーりは、いーついーつでーやる、よーあーけのばんに、つーるとかーめがすーべった。うしろのしょうめんだーれ」

さやも知らん顔をしながらも聞いていた。

まだらは歌い終えて顔を上げる。

「この意味を、妖怪達は何回も訊いてくるんです。でも僕は何も知らない…」

最後は呟きのように聞こえた。

俺も悩む。

「気持ち悪い歌だな。その意味?矛盾ばかりの歌だぞ」

「僕も色々と調べたんです。ですが、何も答えとなるものが出てこなくて…その間にも、人々に"妖怪を呼ぶ"と恐れられて…僕は好きでこんな風になったんじゃないのに!」

まだらは目を強く瞑って俯いた。

そんな苦しみに耐えるまだらの姿を見て俺は考える。


もしかしたら、あいつなら…


「まだら、俺の知り合いのところに行こう。何か分かるかもしれない」

「本当ですか!?」