籠の鳥

ざくやは喧嘩腰に投げかけた。

フォルコはクスッと笑いながら言う。

「悪熊と魔犬の妖怪だ。到底お前たちには適わない」

「はぁ??」

「聞き捨てなりませんね。人間では手を出せないと?」

「い、いつの間に!?」

ざくやとマオの間に立った、人間の姿のフウを見てざくやは驚いた。

だがフウは気にせずフォルコを睨む。

「……人間に改造された妖怪か。愚かな、自我を持てぬとはな」

「っ…!!」

「虎猫、よしなさい。ただの挑発だ」

マオはフウの手を引いて言い聞かせた。



フウはそれでもフォルコに飛びかかる勢いを持っていた。

それを冷静になだめるマオを見て、フォルコはニヤリと口角を上げて言う。

「"妖怪の目"が教えてくれた真実、ありがたく思えよ。好奇心が生んだ痛みか…えぐられ埋め込まれた傷はさぞかし痛いだろう」

「!!」

「貴様…!」

「虎猫…!やめろ」