籠の鳥

ただ違うことが1つ。

明らかにまだらがきたときと風景が違った。

豪華な館が、今は古いボロボロの館になっているのだ。



そうとも知らず、やつははそのホールの真ん中辺りまで来た。

一通り警戒してから槍を下ろす。

「…はぁ。ここにはいないか」

何もいないと判断し、先に進もうとしたときだった。

バッと後ろを振り返る。



ただ瓦礫が積み上がっているだけ。

だが確信を得たようにまた槍を掴み直した。

「どうやら気のせいではなかったらしいな」

やつはは特別な意識にひかれているのを微かに感じていた。

だがそれ何なのかは分からない。



物音がした方へ槍を向けた。



すると小さな女の子がゆっくりと、瓦礫の陰から出てきた。

やつはは少し肩の力を抜いて言う。