籠の鳥

次はまだらの耳を強く塞いだ。

その直後にまだらは激しく抵抗する。

「この歌が聞こえぬか?おまえを純潔な妖怪にするための歌だ。おまえは私の、私だけの子だ…それ以外に何があろうものか」

「やめろっ…!」

「安心しなさい。妖怪になればおまえの人間への想いは消える。苦しくはない」


僕は、そんなことをしたくない…っ!


母の手を掴み、まだらは振り切って扉に走り出した。


こんなとこ出てってやる!!


だがフォルコの隣をすり抜けた時、手を掴まれた。

そのまま引き寄せられて両手を掴まれる。

母の方を向かされた。

「何故行こうとする?」

「ここに来るまでに決めたんだ。もし母さんと僕の意見が合わなかったら、僕はざくや達のところに戻ろうって。母さんに僕の気持ちなんて分からない、だから帰る」

「人間に洗脳でもされたか…醜くはなってほしくない…フォルコ!予定通りに進めるのだ」

母はフォルコに怒鳴った。