籠の鳥

「遣いの人は、この森からは母からの許しがないと出れないと言っていました」

「森に閉じ込められたってわけか…」

「あいつはどうした!?フウっていうお前にくっついていた女がいないじゃないか!ってことは森の外にいるんだろう!?」

やつはさんはマオを差しながら叫んだが、ざくやが冷静に答えた。

「ばか。あいつも妖怪だ。この森に近付けるわけないだろ」

そのざくやの言葉を最後に会話はなくなった。

ただ焚き火の弾ける音しか響かない。



そしてついに僕は口を開いた。

「…僕、1人で行ってきます。僕が行けば、この森は解放されてざくや達が出れます」

「そうなるかもしれないが、だが…「大丈夫です」」

ざくやの言葉を無理矢理遮った。

笑顔を見せて言う。

「母だと分かった以上、ここからは僕の問題です。相手は血の繋がった家族、しっかり話ができます。それにやつはさんも休まないと危険ですから。さやもこのままの状態でいるのは厄介でしょう?」

俯いて答えようとしな2人を置いて、マオが代わりに言った。

「そうだね、まーくんの言う通りだ。元々、まーくんの事情にオジサン達が首を突っ込んではいけない。…ここでお別れだ」