籠の鳥





完全に太陽が沈み、余計冷え込んできた。


焚き火だけは消さないようにしないと…


僕は焚き火を越して倒れ込んでる人影を見た。

「やつはさん…」

コートに丸まって辛そうに息を吐いていた。

「だから、風邪ひくって言ったじゃないですか」

「うる…せぇ、よおっ!」

「もう…」と呆れながら焚き火をいじった。


さやとざくや遅いな…

マオもどっか行っちゃったきり帰ってこないし。


小さくため息をついた。

そして頭をおさえた。

「やだな…僕も風邪ひいちゃったかな…」

ズキッと痛んでから身体に違和感を感じた。

「………」

ふとやつはさんを見る。



眠ってる様子を見て僕は恐れた。

「……風邪ひいたかぁ‥」
またため息をついてコートをさらに引き寄せて焚き火をいじった。



ドクッ