籠の鳥

風を顔全体に受けながら森の隣に着地する時だった。

「!?」

突然フウが息を詰まらせた。

そのまま地面に落下していく。

マオもたたき落とされて、大きな音とともに雪が舞い上がった。

雪がおさまった後、マオは顔を上げる。



そこには羽を閉じてしっかりと立っているフウの姿があった。

「虎猫。」

低い声で呼ぶと、フウは突然羽を広げて突進してきた。

頭を下げて避けると、すれすれのラインで空に飛んだ。

「くそ、何故だ?ここには妖気がないはず…!」


少しずつ妖気がずれているのか?


いずれにせよフウが妖気に溺れていることには変わりなかった。

また突進してくる。

ギリギリですれ違う寸前、マオは妖魔石をフウの羽にひっかけた。



フウはみるみる人間に戻っていくのにバランスを崩し、雪の上を転がった。

マオが近付いて行ったとこでフウは身体を起こす。

それでも暴走は止まってはいなかった。