籠の鳥

救いを求めるような目と合う。

「何故…人は妖怪に殺されなければならない?俺達はただ、誰にも指摘されず静かに幸せに暮らしていただけだ……なのに…」

「もしかしたらそれも分かるかもしれない。今、まだらは自ら妖怪の血が流れていると言っただろう?それ以外にもまだらには問題がある。それが一体何なのかを調べるために旅をしているんだ」

まだ、この妖怪だらけの者達の共になるのに迷っているやつは。

だが、それに決定打を打たせたのはマオだった。


「ついてくれば妖怪の宝庫に行けるというわけだ。もしかしたらやっくんの家族を殺した妖怪に会えるかもね」

その瞬間にやつはの目の色が変わった。

槍を下ろしてざくやに向き直る。

「是が非でも同行させてもらおう。だが、僕はこの妖怪との旅は許していないからな」

その矛盾しながらの答えに俺達は笑った。



そして一泊した後、食料を補充して村を出た。

やつはは昨晩のことがあったものの、積極的にさやを助けて歩いている。

俺は少しつまんなくなりながらもその様子には安心した。