籠の鳥

しかし思いとは裏腹に外の悲鳴は酷くなり、物音が激しくなっていった。



隣で人形ギュッと握った音が聞こえたかと思うと、突然繋いでいた手が離れた。

『あ、あくらっ??』

『お母さん達見てくる。外で妖怪を食い止めてるんでしょ?あたしにも何かできるかもしれない』

『やめようよそんなこと…お母さん、ここから出るなって言ったんだよ??』

そう言うとあくらは男の子に向き直った。

『ざくやはあたしが守るから大丈夫だよ。ざくやはここにいて』

そう言ってあくらは勢いよく飛び出して行った。

悲鳴の中に飛び込んで行く。

男の子はそれを怯える様子で見ているしかなかった。

しかし、しばらく経ってもあくらは帰ってこない。

男の子は勇気を振り絞って外に出た。

『すぐ帰ってくるから』と人形を置いて…



外に出ると、目を疑うような光景が広がっていた。



知っている村人が地面に転がっていた。

あのいじめっ子達も歩いて行くと見つかった。