籠の鳥

百足はやっぱり俺が目当てらしく、俺に直行してきた。



だが、それはやつはによって止められる。

やつはは空中で槍を投げた。

それは真っ直ぐに百足の額(もっとも、どこだか分からないが)に命中した。



百足は一瞬動きを止め、何も言うことなく再起不能になった。

地響きと共に百足が倒れる。

俺は渋い顔をしながら見ていた。


何もかも、俺がやったこと全て情けない。

情に流され過ぎて、物事を判断できていない。

それでこんな奴にボロくそ言われると、プライドまでが腐る。


百足の額から槍を抜き取って、担ぎながら俺のところまで歩いてきた。

「取りあえずさやを休ませないと」

「ああ。」

さやを抱き上げて俺は立ち上がった。

やつはを無視して早足で歩き出す。

やつはも早足でついてきた。

「さっきっからそんな感じなんだよ。宿を出て少ししか経ってないのに呼吸が乱れてる」