最後の天使



それにやましいことは
一つもしてないんだから。


俺はそう言い聞かせて、
コピーした指輪の写真を見せた。



「この、指輪なんだけどさ…」


「あ~、超可愛い!ここの店知ってますよ」


「まぢで!?」



山本の胸には
見覚えのあるネックレスが光っていた。



「あ、それここの?」


「そうなんです!自分にご褒美で買ったんですよ~」


ハートの輪のついた
ネックレスは、
自信ありげに光っていた。



「ここからすっごい近いですよ?歩いて行きましょうか」


「そうだな」


俺と山本は、
目的地には歩いていくことにした。

山本のネックレスは
高いんだろうか…


一人の男が、
プレゼントとしてあげるものが
安くていいのだろうか…


そうも迷いながらも
財布と相談する余裕もなかった。



「先輩の彼女さん、何をしてらっしゃるんですか?」



山本は道に気をつけながらも
俺に投げかけた。



「コックだよ。いつも毒見役なんだ」


「そうなんですか?毒見だなんて…おいしい料理食べれるのに」


山本は
俺の冗談に笑った。