最後の天使




「いや~、そんな可愛いお姉ちゃんでもな…これが限界やわ」


「そこをなんとか!ここすっごく気にいったんです」



俺は親父と山本の掛け合いを
第3者として見守っていた。

坊主の柄の悪そうな親父は
意外にも気前がよく、
それは山本のルックスの良さなのか…



「しゃーないな…ねえちゃんだけやで?ほんま内緒やねんから」


「やったー!うれしいありがとっ」


そういうことで
山本の家は綺麗な
アパートにきまった。

ずっとためていた
貯金があったため、
家には次の日から住めるようになっていた。


山本はルンルン気分で
親父に手を振った。




「よかったな、気に入ったの見つかって」



「よかったです!ほんと、ありがとうございます」



山本は嬉しそうな視線で
間取りを見つめていた。



「あ、そうだ。次は先輩ですよね…何買うんですか?」


山本は
間取りを鞄に直し
俺の顔を見た。

そうだ、2つ目の買い物
“指輪”


今日は大きな買い物が多いな…



「彼女と記念日でな、指輪買いに行きたいんだよ」


「あ、今朝の電話の方ですか?」


俺は無言でうなずいた。
その言葉が、また罪悪感を引きだした。

大丈夫、山本は今日で
家からいなくなるんだしな…