最後の天使




「…乃丸…ん…笹乃丸先輩!」



「んっ…あぁ…」



俺は揺れる腕の方をみると、
しゃがみ込んだ山本がいた。

ばっちりメイクをして、
服も着替え、
髪も綺麗に整えている。


俺は低い視線に驚きながらも
昨日ソファーから落ちたのだと
瞬時に理解した。



「笹乃丸さん、電話ずーっと鳴ってますよ?…起こそうか迷ったんだけどずっとなってたから急用かなって…」


「ああ、ありがと」


山本は
綺麗にデコレーションされた指で
俺の携帯をもち
差し出した。


俺は寝癖の髪を軽くかきつつ
まだよくあかない目をこすった。



「笹乃丸さん、朝ごはんつくってもいいですか?」



「え、山本つくれんの?」



「つ、つくれますよっ!」



山本は顔を膨らまして
仁王立ちをした。



「じゃ、みそ汁とご飯と魚、よろしく。全部冷蔵庫に入ってるから」



「ま、っまかせてください!」



山本は
そう言って冷蔵庫へ向かっていった。