最後の天使



「あ!…恭介!」


山本は
男の名らしきものを呼び、
車の後ろを向いた。


「…止めて…ください」



山本はそう呟いた。



「止めないでください」


「でもっ!」


「いつまでそれでいるんだよ!」



俺は
久しぶりに
腹から声を出した。


「…いつまでも、そばにいてやることだけが優しさじゃない。」


「うぅ…っ」


俺は泣き崩れる山本の
肩を抱いた。


「突き放すのも、優しさなんだ…」



「は…いっ…」






そのまま
山本は
小さくなりながら
泣き続けた。


俺はその肩を
さすっていた。