私達の涙は、歩いているうちに乾いてなくなった。 教室に着くと、皆が出迎えてくれた。 「実!大丈夫?本当は、行きたかったんだけど捕まっちゃってさ」 玲衣は手を合わせて謝った。 佳乃ちゃんは、じっと実の顔を見た後、微かに微笑んで頭を撫でていた。 佳乃ちゃんの行動は、少しおかしい。 もしかしたら、気づいてるのだろうか? 「ありがとう、平気だよ」 いつものように実はいうと、時計をみた。 「もう、始まっちゃうね」 「ほんとだ」 私達もつられて時計を確認し、席へと移動した。